仕事で調べごとをしていたら、なぜか中竹さんの文章にぶつかりましたので、載せておきます
星を知る
早稲田大学ラグビー部主将
中竹竜二 ( 本校平成四年度卒)
兄に手を引かれ遠賀川の土手でラグビーに出会い17年。
「今年で本当に最後だ。もう少しだけ頑張ってくれ。」
無理をし続けてきたこの身体に、
高校の時、両肩脱臼癖になり、右肩には、
腰にはヘルニア、分離症、
首には同じくヘルニア、両膝関節内側靭帯損傷、
手の指10本中、半分以上の指にテーピングをしなければ、
上前歯の3本は自分のものではなく、
中鶴少年ラグビーに始まり、ジュニア、東筑高校、
誰もが驚いた主将就任。
その日まで、ぎりぎりのところで頑張ってきたこの身体に、
プレーヤーを辞めてトレーナーになろうと決心したこともある。
しかし今は、親から授かったこの身体、
上京し、数日後、此の世のものとは思えない練習、いやそれは、
土を食った腕立て2000回、尻から血が出た腹筋2000回、
人間は1分30秒あれば、死ぬことができると実感した。
タイムトライアルであるため、1度でも手をぬけば、
明日は我が身かもと、腹筋で血だらけになった短パンを履きかえ、
今では理不尽の科学も存在することに納得し、「
人は感動した数だけ幸せになれるならば、
磨けば磨くほど輝く。
骨折しながらでも、ボールを追いかける姿、突き刺さるタックル。
また、4軍、5軍にいながらにして、黙々と走る姿。
そんな4年生が試合の前夜、メンバーでもないのにもかかわらず、
部屋でスパイクを磨き、祈りを込める。
その何の打算もない姿に、男が男に泣ける何かを思う。
男が男に泣けるとき、
そんな男達に出会えたことに自分の星を感じるときがある。
しかし、その偉大なる人間は、いざ試合や受験といったときに、
あれをやればよかった、逆に、
ラグビーには、試合前の涙がある。
今までの様々な犠牲を80分間の試合の中で全て帳消しにするため
一軍に上がりたい、活躍したい、誉められたい、
日本一に向かうその過程の中で、自らの身を研ぎ、
失敗とは、成功の前にやめること。
失敗とは、自分の計画に全力を投入しないこと。
今思う。
自分に起こった現象は、けがも挫折も、全て必然、必要だったと。
そして心から感謝しています。
たくさんの人に出会え、たくさんの感動をもらい、
人はそれぞれに役割をもって生まれてきた。
決して華やかなプレーはできません。
女の子の声援も少ないし、鈍足の僕には独走もできません。
華麗なキック、パスは到底無理。
しかし、前に転がったボールには一番に飛び込みます。
首がいたくても、肩がいたくても、タックルします。
そして己を信じ、みんなを信じることの強さを知っています。
それに心動かされ、男に泣ける人が一人でもいれば、僕は、